いりの舎の本 of いりの舎

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おかげさまで月刊「うた新聞」は5周年を迎えました。心より御礼を申し上げます。

201701-2.jpgうた新聞題字.jpg月刊『うた新聞』2017年11月号(第68号)が出来上がりました!

【お知らせ】定期購読のみなさまには10月31に発送いたしました。
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年間定期購読:4800円(税・送料込)
定期購読以外で新聞をご注文の方は1部400円・送料(82円)をいただきます。
いりの舎キャラクター いりのくん(シガヒロコ・作

2014年4月1日受付分より書籍は消費税分の値上げをいたします。
書籍の金額は基本的に税抜き価格で表記しております。
各書籍の詳細は下記の一覧でご確認ください。
※送料も変更になりましたので御了承ください。

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【新刊】『金釦(きんぼたん)』 仙田篤子LinkIcon

21世紀叢書第308篇
「塔」に所属する著者の『万の螢火』に続く第二歌集。

心を通わす高齢の父、二人の息子さん、その子どもたちとの触れ合い。仙田さんの日々には、つねに記憶の日々が息づく。なにげない記憶、時間のひだがこまやかに畳み込まれて、なつかしく、みずみずしい情感を湛える。駆逐艦「親潮」より帰還した父が百歳を迎えた今年、父の思いとともに送り出す、『万の螢火』に続く第二歌集である。――花山多佳子(「帯」より)

●歌集より5首
長く見ぬと言へば小さき蝸牛(かたつむり)てのひらに乗せ父の戻り来
積乱雲わきてなほ湧け空のみの窓に見飽きし母が見てゐる
去年の夏子らにならひし草笛を吹きながら行く雨後の白神山地(しらかみ)
兵の日を自ら語り始めしは戦後六十年を過ぎし頃より
二人子の学生服の金釦しまへるままに在り場所しれず

四六判上製カバー装・200頁
帯文:花山多佳子
装幀:花山周子
定価:2,500円+税
送料:164円

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【新刊】『白木蓮の庭』 稲葉登紀子LinkIcon

「新アララギ」に所属し、平成15年から27年までの歌をまとめた第三歌集。

春の日を浴びてかがよふ白木蓮この花共に見る人あれな
有りの儘を計らうことなく、表現するアララギの写実の手法は、確実であり、詩情の豊かさは、読む者を魅了して止まない。――實藤恒子(「帯」より)

●歌集より5首
腰痛をこらへ立ち居する日々にして嘆きし母を今に理解す
画用紙に向へばこころ弾みゆく凡庸なる日々打ち払ふごと
享保よりおはせし祖々のかの仏壇何もかも海に流れ失せぬとは
蘭の本手にし培ひ花咲かせし永久に逢ふなき人よ恋ほしき
ざら紙の冊子ホトトギスに父の句の載りし幾たびか幼き記憶に

四六判上製カバー装・196頁
跋:實藤恒子
装画:著者
装幀:南 一夫
定価:2,500円+税
送料:164円

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【新刊】『水際(みぎわ)』 遠藤たか子LinkIcon

りとむコレクション103
「りとむ」「あんだんて」に所属し、南相馬市に住む者の視点で歌う著者の第三歌集

原発はなぜ反対をしなかつた?被災地の「被」をけふは問はるる
虚しく、無意味であることは自明なのに、これほど残酷にひびく問いはない。天災も事故も過酷だが、人の心もまた冷酷だ。遠藤たか子さんの淡々とした語りを追い、なかなか目を上げることができなかった。――今野寿美(「帯」より)

●歌集より5首
災禍後の人心百年荒む説読みて少女の手紙も読みて
今年竹ひろがり伸びる今朝の庭ながい一年だつた おかへり
誕生日なにもなけれど研ぎ師きてそりそりと研ぐペティを出刃を
馬を見きふるへて喘ぐ馬を見き津波の直後泥のもなかに
まなかひに瓦礫をいまだ越えぬ海みえておそろし<越える>といふは

四六判上製カバー装・188頁
帯文:今野寿美
装画:諸星美喜
装幀:南 一夫
定価:2,500円+税
送料:164円

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【新刊】『いただいた句200
     ―すえひろ句会交友記―』
             本阿弥秀雄LinkIcon

超結社の「すえひろ句会」88回分のうちから珠玉の200句を選び解釈や感想を綴る一書

句座をともにして、覚え、学ぶ。
長いお付き合いの記録の一端を残せたように思う。こうしてみると、句会一回ごとではわからない各作者の特徴などが見えてきて、興味深かった。―「あとがき」より

いただいた俳句の作者
合谷美智子/浅井民子/勝又民樹/笹瀬節子/佐藤宏之助/佐怒賀直美
清水和代/嶋田麻紀/駿河岳水/戸恒東人/深沢暁子/間中惠美子

四六判並製カバー装・220頁
装幀:片岡忠彦
定価:2,200円+税
送料:164円

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【新刊】『霧氷』 野澤洋子LinkIcon

歩道叢書
「歩道」に所属し、人生を明るく、豊かに生きた著者の第一歌集。

作歌を愛し、肉親・家族を大切にし、身近な友人たちと心から親しみ、自然と旅を糧として生きた歌人野澤洋子、その歌には見えている世界全てへの讃嘆と人への感謝があふれている。そして作品は永遠に生き続ける。――(秋葉四郎・「帯」より)

●歌集より5首
・内気とぞ思ひし孫がソロに踊るまばゆきばかりを堂々として
・わが下の川沿の木々霧氷して水晶の華咲く如く見ゆ
・死に近くいくたびも見する母の笑み姉妹三人が見守りてをり
・親子孫三代にてわれ旅をせし事など思ふ午後のたまゆら
・幼名を呼び合ひながらそれぞれが病のありて話のはづむ

四六判上製カバー装・188頁
跋・装幀:秋葉四郎
定価:2,500円+税

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『枇杷実るころ』 鵜田久子

青垣叢書第243篇
「青垣」に所属し、房総で生まれ育った著者の生きた証としてまとめた歌文集。

ここ南房総の温暖な風光の中に過ぎた九十年という歳月は、わたしにとって喜怒哀楽を織りまぜての味わい深いものでした。――(「あとがき」より)

●歌文集より5首
・枇杷山に枇杷の切株残りゐて降る雨に濡れ年輪が浮く
・亡き父母の植ゑし枇杷の木この年の枇杷の実すでに青くまろみぬ
・枇杷の木の上よりわれに呼びかくる若かりし日の父の声思ふ
・病む母をわれは覚えず健やかに枇杷もぐ母のみ眼うらに生く
・立冬の昼の日差しに枇杷の花ふつふつ放つ甘き香りを

四六判上製カバー装・224頁
装幀:君嶋真理子
定価:私家版

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『赤い扉』 石山彰子

「潮音」に所属し、水彩画と短歌の相互作用を楽しんでいる著者の第一歌集。

この歌集は、石山さんの生来の感性を、歌を作ること、絵を描くこと、そして日常を生きることで磨き続けた結晶である。――木村雅子(「序」より)

●歌集より5首
・肝据ゑて魔女の誘ふ迷宮の扉たたけばそこが始まり
・空色の風を纏ひし少年が少年を脱ぐ夏が始まる
・蟠る気持ちをエイッと蹴飛ばして駆け出してみる夕立の中
・恋ひとつ食べてしまへり私は自分勝手に輝き増しぬ
・真夜中に浮かびたるうた書き留める雑誌の隅にアイペンシルで

序:木村雅子
四六判上製カバー装・192頁
装画:石山彰子
装幀:南 一夫
定価:2,500円+税
送料:164円

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『シャングリラの扉』 小谷博泰

白珠叢書第241篇
「白珠」選者を務める著者の2016年6月から2017年4月までの作品を収めた第十歌集。

常に作品の「我」=「作者」とするには、作品の「我」=「作者」という図式を常に実体化しなければならない。そのためには視点人物を作者、あるいは作者とするもの以外の者に置くことは常にタブーとし、「われ」=「作者」であることを完全に条件付け、あるいは設定しなければならない訳である。しかし、私のこの歌集では、そのような条件付けははずしてあるので、作品ごとに読者に判断をしていただくことになるかもしれない。(「あとがき」より)

●歌集より5首
・ガレージの奥にさびしげな犬がいてやみそうもない梅雨寒のあめ
・木の下に小さな扉ひらくとき異界の森の星降る夜空
・シャングリラの扉から次の扉へと百年たってたどり着いたが
・ここに立つ宇宙樹に扉が付いていて開ければ向うの億万世界
・遠い日の山へゆく坂の道が見え洋館のピアノふと鳴りはじめ

A5判上製カバー装・184頁
装幀:南 一夫
定価:2,000円+税
送料:164円

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『花をたづさへ』 黒田つな子

星雲叢書第67篇
「形成」「波濤」「白南風」を経て、現在「星雲」の維持同人および天城支部長を務める著者の第一歌集。

黒田さんの作品はひたむきで温かな目差と真摯な歌声にあふれ、何故か遠い日の記憶がよみがえってくるような清新さがある――林田恒浩(「跋」より)

●歌集より5首
・唐土(たうど)の鳥と唱へ七草きざみたる明治生まれの母刀自のこゑ
・ありし日はカーネーションを栽培しその花季に母は逝きたり
・不安気に入園なしくる幼との出会ひをまこと大切にせむ
・四季咲きの何が好きかと問はれたら迷ひてしまふやつぱり牡丹
・水仙の姿勢のやうにすつきりと歩みゆきたし八十歳代を

跋:林田恒浩
四六判上製カバー装・168頁
装幀:君嶋真理子
定価:2,500円+税
送料:164円

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『ひとすぢの道』 杉本信道

歌と観照叢書第290篇
「歌と観照」選者、編集委員を務める著者の亡き妻と共に歩んできた日々を詠った第一歌集。

いつかこの世を去るとき、ずっと見守ってやりたいと思うであろうつれあいや子や孫など、大切なひとが誰にもいるように、杉本さんも夫人に見守られ、まなざしや声を自然に感じつつ歌集の準備をされてきたに違いない。生まれ出でてこの世で巡り合った証として、互いを尊重し、ひとすじの道を共に歩むことの美しさと重さを私はここに学び、確信した。――五十嵐順子(「跋」より)

●歌集より5首
・春浅き芦屋川べに『早春賦』声合はししが恋の始めか
・「乳がんのお蔭で方々行けるわね」妻の言葉がわれの励まし
・老妻とスペイン広場の階段に『ローマの休日』の真似をしてみる
・可燃・不燃・リサイクルごみ等週五回出すが粗大ごみの役目となれり
・「ひとすぢの道」と墓碑には刻みたり君と歩める証とぞして

跋:五十嵐順子
四六判上製カバー装・212頁
装幀:南 一夫
定価:2,500円+税
送料:164円

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『玉城徹全歌集』

短歌という詩

2017年5月26日刊行!

古今東西の芸術・美学に精通し、実践と評論をもって〈現代短歌〉の超克をめざした歌人・玉城徹。広く世界と人間を詠み続けたその作品は、遂に短歌の高峰に達する。既刊九冊に未刊の「左岸だより」、自選歌集『汝窯』、長歌集『時が、みづからを』、詩集『春の氷雪』を収録した詩歌文学の集大成。

【収録詩歌集】
『馬の首』『樛木』『われら地上に』『徒行』『蒼耳』『窮巷雜歌』『香貫』『枇杷の花』『石榴が二つ』
未刊歌集「左岸だより」、自選歌集『汝窯』、長歌集『時が、みづからを』、詩集『春の氷雪』

A5判上製カバー装・912頁
定価:12000円+税
送料:サービス

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歌集『茜の雲』 植木つね子

「表現」に所属する著者の第一歌集『峡のあけくれ』に次ぐ、平成12年より28年までの作品をまとめた第二歌集。

暮れてゆく木原の彼方ひとすぢの希望のごとくともしびうるむ/植木盛行
城跡の石段一氣に駈けのぼる少年春のひかりをまとふ/植木つね子
(笛吹川歌碑公園 歌碑より)

●歌集より5首
・阿波石に黒き御影の面輝りて夫の終(つひ)の日の歌刻まるる
・終(つひ)の日を倖せなりしと言へるやう今日一日を大事に生きむ
・早逝の夫なれば今に語るなく老いの日をなほわが独り生く
・それぞれへ訣(わか)れの言葉を今際(いまは)にし遺して夫の壮(わか)く逝きたり
・夫(つま)の影顕(た)たせて真向ふ青葉山なに変るなく青く静もる

四六判上製カバー装・212頁
装幀:結城千賀子
私家版

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歌集『風の音 水の音』 福岡勢子

好日叢書第286篇
「好日」選者・編集委員を務める著者の
第一歌集出版から三十年の作品をまとめた第二歌集。

いつも全力投球の人である。看護師を生涯の仕事としながら、市会議員の夫君、姑上、二男一女のお子達の家庭を守る。たくましくやさしい著者の歌はきりりと簡潔で懐がふかく、時にみせるユーモアがふっと笑いを誘う。―益永典子(帯文より)

●歌集より5首
・わがために姑植えくれたる白木蓮(はくれん)は鳥の巣隠す暗がりをもつ
・いくつになっても今が一番好きというわたしになったのはいつからだろう
・透蚕(すきこ)選りし杳(とお)き日父いて母もいて苦しきことも教えられたり
・地吹雪がこわくて秋田に七十年住めぬぞいざ出陣のごとき出勤
・白鳥と雁二千余羽たむろして落穂漁れりたらふく食っとこ

帯文:益永典子
A5判上製カバー装・208頁
装幀:花山周子
定価:2,700円+税
送料:164円

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歌集『風向計』 森合節子

歌と観照叢書第289篇
平成15年に岡山巌賞を受賞した著者の約20年の作品の中から514首をまとめた第一歌集。

強靭なのだが、決して媚が無い。それがさわやかな知性を思わせて一種、独特の作者像が立ち上がる。詩的把握はまことに魅力的でもあるのだ。
――朝倉富士子(帯文より)

●歌集より5首
・恋初めし十九(じゅうく)あの日の朝の光(ひ)を思い出しつつ老夫(つま)の髪梳く
・巨(おお)杉の断面よりぞほろほろと崩れくるあり五百年の鬱か
・広やかな胸ぐらを見せ招きくる磐梯山へゆかな真っ直ぐ
・除染とて伐られゆく樹々如何にせん森が泣くのか嵐の夜は
・共々にたずさえゆかな潔く風向計は吹かれていたり

跋:朝倉富士子
四六判上製カバー装・232頁
装画:森合 崇
定価:2,500円+税
送料:164円

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歌集『駅』 桜井美保子

冬雷叢書第96篇
「冬雷」編集委員を務める著者の
平成17年から27年春までの作品をまとめた第三歌集。

試行錯誤しつつ、感情に溺れない温かみのある写実力を養い、普通に見えて決して普通ではない独自の抒情性豊かな生活詠を切り開いた。――大山敏夫(帯文より)

●歌集より5首
・パソコンに向ひ言葉を搾り出すは運動してゐるやうな感覚
・改札口よりどつと出で来る人の波おほよそ終る頃に横切る
・古き葉の枯れて新芽の揃ひたるレモンバームに久々の雨
・傘差して川のほとりを行く吾に此処にゐるよとウツボグサの花
・ぐうちよきぱあ両足のゆび動かすを真似したくなるリハビリ見学

帯文:大山敏夫
四六判上製カバー装・272頁
装幀:大塚充朗
定価:2,500円+税
送料:164円

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歌集『うたがたり』 小谷博泰

白珠叢書第239篇
「白珠」選者を務め、「鱧と水仙」同人でもある著者の一年ぶりの第九歌集。

私の目の前には、少数の方々を除き、ほとんど人が手を入れていない広大な沃野、作者からは自立した作品を生むべき沃野が残されているのである。まずは、自分でここを耕してみよう。――あとがきより

●歌集より5首
・鉄線の青い花咲く家があるなつかしくしてはじめての道
・きのう見た夢の扉に彫られていた男の顔のわれにはあらぬ
・いちめんに広がる海と思いしが眼鏡して見ればただのすりガラス
・縄とびの波のしだいに速くなりころがって出たわれは白髪
・震災のあとの神戸に咲いたケシここにもさらに美しく咲く

四六判上製カバー装・200頁
装幀:南 一夫
定価:2,000円+税
送料:164円

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歌集『都忘れ』 上田実千江

「氷原」で長年研鑽を積み、平成五年から十一年までの六年間の作品をまとめた第三歌集。

相変わらず呟くようなものばかりですが、私にとってはその時々が鮮やかに懐かしく立ち上ってきます。「短歌とは時間の錨」との言葉も改めて思い出されます。前歌集『紫露草』の上梓から十年余り、安閑と暮らしていた身には思いもかけぬことが次々にありました。――あとがきより

●歌集より5首
・風荒れて凍(こご)える夜は点字打つ音攫われてリズムにのれぬ
・夜の闇は好きです 昼間の憂さ隠し明るい朝の幕間のようで
・ふうらりとまた故郷の砂丘へと吸い寄せられて旅人となる
・ほっそりと凛とまた咲く春待たん都忘れにわが身重ねて
・年毎に色うすれつつ庭に咲く都忘れに想いは深し

四六判上製カバー装・228頁
定価:2,500円+税
送料:164円

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短歌時評集2005-2014年『読みと他者』 吉川宏志

短歌を読むことによって、
自己と他者のあわいに新しいものを創り出す――。

著者は、現代短歌においてもっとも重要なテーマのひとつである<読み>の大切さを一貫して説く。
それは、2011年3月11日以降、「他者が作る短歌を、私たちはどのように読めばいいのか」という、いちじるしく尖鋭化されてきた問題を解く手掛かりにもなるにちがいない。
共同通信に3年間連載された<短歌はいま>を中心とする、吉川宏志の最新時評集。

●目次より(抜粋)
自分の内部に他者を生み出す読み/読みと他者/他者の言葉を抑圧しないために
河野裕子論 声と身体/当事者と少数者/行為をとおして歌う―脱原発の歌
言葉と原発/小高賢論 公共性への夢/他者に触れる読み ほか

四六判上製カバー・284頁
装幀:片岡忠彦
定価:2,700円+税
送料:164円
※2冊以上は送料サービス

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歌集『地の星』本田幸世

「新日本歌人」「合歓」に所属し、自然を愛する著者の315首を収めた第一歌集。

お墓を買おうという夫を説得して本田さんは九十坪もある菜園を買われたという。そして枯れ葉や生ゴミを鋤き込んで堆肥を作り、ミミズがいるような無農薬の土地を作り上げるという。(中略)しかし、いきいきと農にいそしむ作者に現実はきびしく迫る。福島の原発事故による放射能汚染の問題が千葉県北西部にも及んだのである。――久々湊盈子(「跋」より)

●歌集より5首
・植え付けし馬鈴薯の芽は伸びいるか土のささめき足(あな)裏に聞く
・雨やめば里芋広葉背伸びして銀のしずくを転がしている
・わたくしの農の裔(すえ)なる習性か風さやけき日は畑に向かう
・放射能にくれない透けてひりひりと咲くほかはなし椿の一花
・小女(こおんな)で取り柄なきわれを憲法は「あなたでよし」と嘉(よみ)してくるる

四六判並製カバー装・176頁
跋:久々湊盈子
定価:1,000円+税
送料:164円

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歌集『光となりて』山川澄子

コスモス叢書1081篇
「コスモス」入会から五十余年。2005年から2015年までの作品から343首を収録した第三歌集。

長い歳月の間にいつしか歌は生きる日々の支えとなり、何よりの喜びとなっておりました。――あとがきより

●歌集より5首
・病む夫に手綱をひかれ子らと我にはかにひたと心寄せ合ふ
・意義のある一日送れと言ふやうに波が寄せ来ぬ汀(なぎさ)の我に
・言い残すことなく逝きし夫なれど光となりて我に差し居り
・ほつほつと紅の萩さきそめて秋がきてをり佐助谷(さすけがやつ)に
・秋風のやうに追ひこして行きながら「おはよう」と言ふ背の高きひと

A5判変型フランス装・172頁
定価:2,300円+税
送料:164円

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歌集『黄顆集』横井ラクヨ

濤声叢書第24篇
昭和59年に「濤声」入会。蜜柑栽培の傍ら、保護司を長年務めた著者の豊潤な第一歌集。

心にとどまる思いを何の衒いもなく詠まれ、子や孫への慈愛が滲む、社会へ向ける広い目を軸としながら、著者がお子、お孫に寄せる思いは深い。――温井松代(「序」より)

●歌集より5首
・汗にぬれし野良着に冷たく日の落ちて山よりの風肌を吹き抜く
・明日からは「少年法」の枠のそと口重き子よ明るく生きよ
・ある時は母ともなりて更生を目指すとひたすら若者に対く
・赤飯の湯気のぼらせて母の亡き孫の二十歳(はたち)を祝ぎやらむとす
・生地厚き孫のパーカー洗ひつつその母の経し生きの日思ふ

四六判上製カバー・248頁
序文・温井松代
定価:2,500円+税
送料:164円

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歌集『霧ふかき国』安東久子

昭和24年より作歌。「くさふじ短歌会(現「ポトナム」)」、「風景」、「鹽」、「左岸だより<發發集>」で研鑽を積んだ著者の第四歌集。

こだわって、こだわり放しず、最後に突き放すコツも必要ですね。それには言葉の吟味が必要です。
玉城徹(「序のことば」より)

●歌集より5首
・一碗の粥食ぶるのみに満ち足るるこれの胃の腑に養はれをり
・美しき思ひ出だけをしまひたる老いしからだを春の日照らす
・町筋をはや遠ざかり霧ふかき夜の遠方(をちかた)を沁みて思へり
・日本に日本人在りて難民とならずに暮らすこのありがたさ
・いのちの火消えずにありし霜月をあかあかあかと山茶花咲くも

四六判上製カバー・288頁
序文・玉城 徹
装幀・南 一夫
定価:2,500円+税
送料:164円

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歌集『松煙墨』大越美代

歩道叢書
昭和54年に「歩道」入会。平成3年から25年までの作より、730首を収録した第二歌集。

集名「松煙墨」は「弟に貰ひし松煙墨を磨る静かに今日の夕暮るるころ」から引いた。筆硯に親しむ私の生活のいったんを表出していると思う。――あとがきより

●歌集より5首
・わが庭に父が植ゑたる花多し呼ぶごとく咲く三月四月
・習字する少女の清き手に添ふる荒れしわが手をためらひながら
・三月の雪に思へり蠟の灯に顔寄せ合ひし去年のこの夜
・潮にほふ三陸の鮭捌きをり力おとろへし夫とわれと
・雨はれて明るき畑の丈伸びしアスパラガスに夕光およぶ

四六判上製カバー・352頁
序歌・菊澤研一
装幀:南 一夫
定価:3,000円+税
送料:164円

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歌集『空に撒く』池田ふじ子

輪歌叢書第1篇
「創作」、「新創作」を経て、「輪歌」で詠み続ける大正12年生まれの著者の第三歌集。

まだできることは何かと改めて考えました。時間だけはまだありそうな気がして(それもおこがましいかなと思いながら)考えたのは、書き易い万年筆で字を書くこと。そして長年続けている短歌を整理して歌集にまとめることでした。――あとがきより

●歌集より5首
・観光バスの窓より見上ぐる安達太良の智恵子の空に夕茜射す
・他愛なき夢を言ひつつ笑ひ合ひ娘との旅の朝は明けたり
・戦争疎開原発を経て相会ふを得たり従妹と語らひ尽きず
・よりきたり輪となり睦み合ふ友と詠ひてゆかな心自在に
・わが歌のすてどころなし窮まれば空に撒かむか晴れゆく空へ

四六判上製カバー・212頁
装画・鈴木延雄
定価:2,500円+税
送料:164円

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歌集『なないろばたけ』山本和夫

長風叢書第295篇
「長風」編集委員を務め、社交ダンス、書道、家庭菜園、登山など生涯目標を成し遂げてきた著者の第二歌集。

歌集名『なないろばたけ』は、「春たけて南の風に馬鈴薯の花はゆらぎぬなないろばたけ」の一首から選びました。人参や大根、馬鈴薯などさまざまな野菜づくりを始めたときに借りた一反ほどの農地を「なないろばたけ」と名づけていました。――あとがきより

●歌集より5首
・ジャイアントセネシオ繁るぬかるみの谷間を登る足とられつつ
・繰返し練習積みきてはじめてのサンバを踊りぬ身のひきしまる
・半世紀厨に立ちこし妻の手のキャベツの刻む音のかろやか
・あざやかな色紙選びてのびのびと今年の干支の巳の字を書きたり
・鍬を手に畑を耕すわれの背を押すかのごとく雲雀さえずる

四六判上製カバー・204頁
定価:2,500円+税
送料:164円

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【重版出来】歌集『白杖と共に』 紺野 敬

平成28年度日本歌人クラブ
東北ブロック優良歌集
「潮音」同人、「翔の会」に所属する著者の心豊かな第一歌集。

紺野敬さんは眼が不自由な歌人である。しかしそうした身体条件を克服して前向きに生きてこられ、生涯設計も立派に立てられる一方、短歌制作に当たっても積極的に取り組み、このたび、第一歌集『白杖と共に』を上梓されることになった。
――波汐國芳(「跋」より)

●歌集より5首
・嘆くとて失ひし視力戻らねば心にひかり求めつつ生く
・わが眼より神がひかりを奪ひしは思ひやりの心育(はぐく)まむため
・盲(めし)ひしを暗し暗しと言ふなかれ足裏さへも目に替え歩む
・「復興」の心たづさへみちのくを旅するひとの肩揉みゐたり
・帯形の「福良雀(ふくらすずめ)」のその羽根を借りてをみなのわれも飛びたし

跋文:波汐國芳
四六判上製カバー・164頁
定価:2,000円+税
送料:164円

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歌集『鐘の音』 坂口すみ子

昭和21年から作歌を始め、
「歩道」に入会。70年近くの作品をまとめた充実の第一歌集。

東京から兵庫県の但馬の寺に嫁ぎ、長閑で平安な暮らしはつかのま、僧侶のご主人と壮年にして不慮の死別をする。以後、幼児を抱えつつ、あるじを失った寺を守り、わが子を後継者に育てあげ、檀徒の善男善女に支えられる日々が本集の背景である。
――秋葉四郎「帯」より(抜粋)

●歌集より5首
・条件はいかにあるとも君を思ふこの心はや命に向ふ
・釈尊の御堂をかざる花つみに子等とひと日を野に出(い)でにけり
・己が死期を知りたるときか悲しげなる顔をひと時吾に見せしは
・わが生のすべてをかけてとつぎ来し夫との縁かくも短し
・払子(ほつす)持ちて本堂に向ふ若和尚の静かなる歩みわれはみてたつ

文庫判カバー装・132頁
帯文:秋葉四郎
序歌:秋葉四郎
装幀:秋葉四郎
定価:1,000円+税
送料:82円

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歌集『妙見の杜』 浅見美和子

「歌と観照」、「武蔵野歌人会」に所属する著者が、大病を克服し満五年を記念する第1歌集。

篤い病の混沌から生還し、改めて知る日常のかがやき、家族のぬくもり、春秋のいぶき、神々のまなざし。著者の確かめるこの世の一歩一歩が、読者の新たな認識をうながす、心温まる第一歌集。
――五十嵐順子「帯」より

●歌集より5首
・来ん日日は良き年なれと祈りつつ正月用の幣折らんとす
・山茱萸は二男の記念樹この春は婚儀を知りて花さわに咲く
・凍て空にひときわ光る北極星 北斗七星は妙見の神
・勤めより帰りし夫の白足袋の汚れは今日の忙しさ語る
・大方はこの世にあらぬ吾なりと噂はどんどん流れたるらし

四六判上製カバー・160頁
帯文:五十嵐順子
跋:綾部光芳
装幀:南 一夫
定価:2,000円+税
送料:164円

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歌集『白虹』 横山鈴子

「月虹」所属の著者の、ひらがなを基調とした短歌作品のほか、歌論やエッセイなどを収録した充実の第2歌集。

数年前に、ひらがなのみの表現で歌いたいという願望を抱いた。(中略)この歌集は習作ながらその試みの一石である。(中略)2014年のはじめに、藤田武先生の死を経験した。自らのさまざまなめぐりの中で、やはり人として夢をもって、生きて、歌って、ゆきたい、と思う。―著者「あとがき」より

●歌集より5首
・「よわいひとは やっぱりいぢめ られるよね」むじやきなこゑの えきしやにひびく
・にげしひと とどまるひとも みなおなじ このかなしみを かたりつがなむ
・うたうたひ うたまもりゐる ひとすぢの みちあゆみこし ひとりがさりぬ
・あまやかに このよのいきを すひよせて ゆふぐれちかく あかごうまるる
・しんずるか しんじられぬか けつろんは このせんりつの ひびきあふまで

A5判並製カバー・144頁
定価:1,500円+税
送料:164円

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歌集『昼のコノハズク』 小谷博泰

「白珠」選者、「鱧と水仙」同人、兵庫県歌人クラブ幹事などを務める著者の第8歌集。

世の中がどんどん変わっている。バーチャルな遠い未来のものごとと思っていたのが、どんどん現代のリアルに入り込んでいる。かと思うと、とっくに過去の亡霊になったと思っていた暗い時代のあれこれが、気がついたら現代の現実となってよみがえっている。過渡期というもおろかなすさまじい勢いで、時代が移り変わっているのであろう。短歌でこのような時代が捉えられるかしらん、などと思って作品を作っているわけではないが、とにかくここに歌集ができた。―著者「あとがき」より

●歌集より5首
・回転するドアに体を押し出され見れば鎮守の森のざわめく
・コップ酒を飲みつつひとり蛸食えばわびしい昼の港が見える
・妖精のようなま昼のコノハズク風の音にも眠りつづけて
・あちこちに桜が咲いて新幹線の窓から見える平和いつまで
・おさなごは地震以前の家に居てときにこの世の夢にあらわれ

四六判上製カバー・192頁
装幀:南 一夫
定価:2,500円+税
送料:164円

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『太平洋にて』 岩崎明仁

2012年、詩集『語らう。初めて出会うなつかしいあなたと』を刊行した岩崎明仁。観測航海に従事する傍ら、宇宙、海、大地を揺曳し、自己と他者を往還する中で、故郷を求め、〈わたし〉=〈あなた〉とが出会うべく書かれた最新著書。

この静謐な情熱にみちた航海日誌は、21世紀日本にあらわれた「酔いどれ船」でもあるだろう。だが、岩崎明仁はランボーのようには気負わない。人間を斟酌しない海洋の摂理に畏怖しつつ、そのただなかで、つつましくみずからを新しい身体誕生の場たらしめ、またそこから、友愛をもって他者に呼びかけようとするのだ。詩人と科学者とのひとりコラボレーションという、誰にも真似できない方法が、そのひそやかな儀式を支えている。――野村喜和夫・「帯」より

僕は、見る。
大洪水の後の祈りを。忘却のつむじ風の向こうの孤独を。
黄金を求めてのさまよいを。
そしてもういちど探し出す。
何を?
そう、それは――。

四六判上製カバー・280頁
帯文:野村喜和夫
装幀:南 一夫
定価:2,700円+税
送料:164円

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歌集『桜花伝』 五百川紘子

平成28年日本歌人クラブ
北海道ブロック優良歌集
北海道に生まれ、1982年「潮音」に入社。2014年に「潮音賞」を受賞した著者の詩性に満ちた第一歌集。

現実と幻想が一体化し一種の幻想世界ともいえる不思議な詩的世界。多弁を要しない精神の粋。心をこめて読んで頂ければよい。
――山名康郎・「帯」より

●歌集より5首
・いづこまでわれの血縁 秋海棠花より朱き節伸ばしをり
・誰もかれもやさしかりしよコスモスの花海(うみ)に彼岸の人遊ばする
・これの世のほかも桜の吹雪ゐむ月の夜花のささめきを聞く
・出奔のわれを探すな追ひかけて来るごと夜風に風鈴が鳴る
・異界なれ風鳴きわれ哭き雪をんな声を殺して白夜ありたり

四六判上製カバー・220頁
帯文:山名康郎
定価:2,500円+税
送料:164円

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歌集『直歳(しつすゐ)』 鈴木得能

響短歌会副編集長、埼玉県歌人会事務局長を兼任し、青梅市大泉院の住職を勤める著者の泰然たる第二歌集。

鈴木さんの作品は暖かい。禅寺の嫡子として厳しく育てられたものの、寺は次男に譲り、教職の道にすすみ、今は小さな山寺の住職を勤めていることもそうした背景にあるのだろう。微笑ましい作品も多いが、見るべきものはきちんと見ており、著者の人柄の滲み出ている一冊である。――綾部光芳・「帯」より

●歌集より5首
・手を繫ぐそんなことなどあつたかな六十過ぎたるわれら二人に
・直歳は伽藍修理や作務などを掌る役にて吾にふさはし
・ご祈禱の御陰で健やかになりたると礼を言はれて心安らぐ
・子の頃に祭り囃子を習ひしも祈禱太鼓は今も叩けず
・連日の介護に出に行く妻の背のいよよ小さくなるを見送る

四六判上製カバー・168頁
帯文:綾部光芳
定価:2,500円+税
送料:164円

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歌集『とりよろへ山河』月岡道晴

第30回北海道新聞短歌賞佳作
はじめ岡野弘彦に師事し、平成10年に歌誌「白鳥」に入会、成瀬有に師事。そして「白鳥」解散後、新たな出発を期する待望の第一歌集。

これほど魂の漲る力強くも優婉なる調べを湛えた、格調高い処女歌集は稀有であろう。現世と常世を引き結ぶ月岡道晴の雄渾な三十一音は、彼方を目指す凛乎たる白鳥のごとく天を翔けて歓喜し、地を響もして慟哭する。――堀本裕樹(俳人)・「帯」より

●歌集より5首
・スカイツリーに挿されひらたく乾きたり東京といふ都市の標本
・この想い伝わりますか そらをゆく燕ふたつの軌跡重なる
・朱鷺のごとくあるいはにほんおほかみのごとくすめろきの血は滅びなむとす
・こころまで冷えて振り来る群しぐれ傘に受ければその粒かたし
・たもつ様たもつ様とぞ司会は呼ぶ有(いう)の役目を終へてしからだを

四六判並製カバー・220頁
帯文:堀本裕樹
装幀:片岡忠彦
定価:1,852円+税
送料:164円

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歌集『清水(せいすい)を汲む』 本庄清子

京都府八幡市八幡清水井にある浄土宗寺院安心院に生まれた著者の約三十年間の作品429首を収めた第一歌集。

清水井(しみづゐ)とふ地名の上に六十年釣瓶を振りて清水(せいすい)を汲む
作者は、京都府八幡市八幡清水井にある浄土宗寺院安心院に生まれた。この辺りの井戸からはとてもいい水が出て、作者のお母上も御祖母様もこの水を飲んで生きてこられたのだから、作者の身体はこの清らかな水で出来ているといっていい。きっとその水には仏心も溶け込んでいるにちがいない。――益永典子(「跋」より)

●歌集より5首
・嫁ぐ日のベールのやうな網の中塩辛蜻蛉は獲られて騒ぐ
・み佛の君にささげし白桃をうつし身のわれの食めば雫す
・川底を浅くつながりゆく水に冬雲しろく揺れつつ映る
・ただひとつ言ひ訳したき事のあり寒あやめ咲くほとりに立ちぬ
・お帰りと幾万たびを言ひたらむ夫と子ら待つも家事にてありし

四六判上製カバー・188頁
跋文:益永典子
定価:2,500円+税
送料:164円

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随筆集『私の巻頭言集(東海短歌)』 
曾根耕一

静岡県沼津市を拠点に作歌をつづける曾根耕一の随筆集。著者が代表を務める歌誌「東海短歌」に毎月掲載された「巻頭言」を中心に、沼津牧水会報等に寄稿した文章を収録。

若山牧水終焉の地・沼津に暮らす著者ならではの牧水論、西行の生きた時代を辿るように根気強く執筆された西行論、斎藤茂吉・山崎方代・近藤芳美・上田三四二・前登志夫など、広い視野のもとに書かれた現代短歌覚え書き、戦後70年の今こそ「ものを言う歌を」といった提言等々、短歌愛好者の滋養となる随筆の数々。

〈目次〉
Ⅰ 牧水と自然/牧水とエコロジー/牧水と酒/若山喜志子の歌
Ⅱ 西行の出家について
Ⅲ 山崎方代と佐藤茂正/福島泰樹の「反措定」について/近藤芳美氏を悼む/上田三四二「鎮守」の一首について/茂吉の赤茄子のうた/前登志夫と生活者の歌/詠われる大震災の歌/ものを言う歌を/他

四六判並製カバー・172頁
口絵 色紙・玉城徹
定価:2,000円+税
送料:164円

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歌集『枇杷の花』 曾根耕一

大正15年(昭和元年)に生まれ、「沼津歌人」に入会から、歌歴は65年にもおよぶ。玉城徹指導・短歌を作る会責任者、沼津牧水会幹事を務め、現在、歌誌「東海短歌」代表を務める著者の充実の第二歌集。

韻律を大事に、できるだけ字余りを避け、絶句の揃い文字による美的印刷効果をあげるため、己の型式を<二十六文字短歌>と定める著者の第二歌集。
「短歌とは歌い続けるもの、歌い続けてこそ歌詠みとしての自負が持てる」という意志の結実。―――(「跋文」より)

●歌集より5首
・昔むかしの沼津の駅に小旗振りて兵士送りしこと忘れめや
・のんびりと梅雨の地温に育ちくる直蒔きにした秋茄子の苗
・とめどなき挽歌であつたアカシアの雨は安保のやぶれ心に
・玉葱の床植ゑ腰を宥めなだめ今年は四日に分けて植ゑ終ふ
・しんかんと枇杷の白花低く咲く小枝は路地のくぼみに匂ふ

四六判上製カバー・368頁
定価:2,500円+税
送料:164円

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歌集『また逢う日まで』土井道子

「新日本歌人協会」に所属し、70余年にわたって作歌をつづける著者の第一歌集。「私の人生の15年間は戦争であったこと、今後こんな人生や世界があってはならないことがわたくしの夢であり、歌でありたいと切にねがって」(著者「あとがきにかえて」より)

著者の歌は、日本と日本をとりまく国々の現代史そのものだということです。歴史的な事実として客観的に詠んでいるのではありません。自らの闘いとして詠まれているのです。
さらに触れたいのは、老いとの闘いです。高齢化社会と言われて久しく、老いの概念は変わってはきていますが、九十歳は高齢に違いありません。しかし作者は正面から立ち向かっています。
――奈良達雄(「跋文」より抜粋)

●歌集より5首
・侵略戦争に反対したる党に拠り2・1スト 政令二〇一号たたかいしよ二月
・「サ・セ・パリ」床ふみならすごときシャンソンおのれはげまし娘は聞くらしき
・入党に声援送ると言いくれし父母よ生きませば同志にてあらん
・視力すこし良くなりし目に老眼鏡をかけて読み書くきさらぎの窓
・いちはやく青葉となれる欅にてわが目癒さん刻しばしあれ

四六判並製カバー・260頁
跋文・奈良達雄
定価:2,000円+税
送料:164円

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歌集『杏の花咲く』 佐藤千廣

福島県いわき市に暮らし、〈文武両道〉という崇高な理想のもと、56年間にわたって現役の教員生活をつづける著者の第三歌集。平成12年から26年までに制作された作品513首を収載する。

三冊めとなるこの歌集にも、新しい学校の生徒たちや若い同僚、家族の姿がいきいきと描写される。震災、そして大病を経て、深められた眼差し。いま、杏の花が咲く。
――真中朋久(「帯文」より抜粋)

●歌集より5首
・試合終へ雪の廊下をゆく子等の胴衣の肩に薄ら湯気たつ
・窓に鳴く小鳥の名前尋ねきて初めて心ひらきし生徒
・老い木には老いの安らぎこもりゐて今年も杏の花そよぎをり
・落としやる柚を両手に受けとめて祈るごと妻はその香を嗅げり
・この道を究めずにして何かありしや六十年の剣道修行

四六判上製カバー・224頁
帯文・真中朋久
定価:2,500円+税
送料:164円

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『正岡子規直門 桃澤茂春実暦』 橋本俊明

斎藤緑雨文化賞受賞
正岡子規の直門にして、江戸時代の画家・曾我蕭白論を展開した日本画家如水、桃澤茂春の生の証と言葉を集積した橋本俊明氏の大著

これは三十三年の若き晩年を伊勢で生き、渾身の曾我蕭白論を展開した正岡子規直門の日本画家如水、桃澤茂春の遺書にも似た生の証と言葉の集積である。「覇王樹」で活動する著者が、大病後の療養中に研究、執筆した渾身の一冊。「桃澤茂春という作家を、ひとりでも多くの方に知ってもらいたい」(「あとがき」より)

<目次>
一、茂春との邂逅/二、茂春の遺事/三、桃澤家と茂春の生い立ち/四、在京時代/五、「今様四絶」の達人茂春/六、茂春の功績/七、廿八年季日記(明治二十八年一月一日~二月七日)/八、桃澤茂春の庚子日録【明治卅三年季日記】/九、【紗冠日件録】(明治三十七年十一月一日~三十九年八月十六日)/十、茂春の最期/十一、茂春追悼・追憶の短歌ならびに文章/十二、おわりに/桃澤茂春年譜/あとがき

A5判上製カバー・356頁
装幀・橋本俊明
定価:4,000円+税
送料:164円

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歌集『リュベロンのはなうた』宮田和美

高校教諭としての日々を送りつつ、日本のみならず海外の山々に登り、その途次に一首、一首と歌を詠み続けてきた著者の第一歌集
日月叢書第53番

人の海われてあわだつ向かうから金のピアスの君がかけくる
シャイな山男が奏でる孤愁の旋律と平仮名文体への信頼。リュベロンの朝のカフェオレはあたたかかった。
――永田典子(「帯文」より)

●歌集より5首
・山靴をさげて渓流わたりゆく人里ちかき向かう岸へと
・屋根瓦すべりておつる春の雪に家居ひとつの塵もめざめつ
・焼き色をたしかめてまたうらがへすホットサンドの真昼のにほひ
・降る雪にフードかづけば静けさのふかくなりゆく大雪(だいせつ)の秋
・むなちまで韓国岳(からくにだけ)の雪にうもれ落ちゆく夕陽とどめかねつも

帯文・永田典子
四六判上製カバー・196頁
定価:1800円+税
送料:164円

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歌集『山峡の道』神山信子

長唄と三味線の師範として多くの弟子を育てつつ、昭和60年からは紙人形をたしなみ、そして、平成3年より作歌を始めた著者の第一歌集
コスモス叢書第1062番

九十九(つづら)折りの山峡の道吹く風に葛の葉裏の白く騒だつ
振り返ってみると、私の半生は、この歌集名となった一首のように、九十九折りの山と山の間(はざま)の、細く厳しい道ばかりで、吹く風に葛の葉がしろじろと騒立っている、まさにそのようなものでした。そうした意味で「山峡の道」のタイトルは、私の半生の象徴のようにも思われます。
――著者(「あとがき」より)

●歌集より5首
・参道の店で買ひたる杖持ちて足悪きわれを夫待ちくれぬ
・三味線の切れし二の糸つなぐ間も夜半を降りしく時雨の音す
・わが傘寿にはらからつどひ来て板前の息子は祝膳つくりくれたる
・障害者と告ぐれば「君は君だよ」と抱きくれにし人を忘れず
・大空襲にわが家も焼かれ逃がれにきわが誕生日なりし三月十日

装幀・杜澤光一郎
カバー・口絵2点の紙人形・著者制作
四六判上製カバー・180頁
定価:2000円+税
送料:164円

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歌集『風紋』三ツ木稚子

著者が作歌を始めるきっかけとなった故・稲葉峯子氏、現在所属する「日月」代表の永田典子氏、親しかった二人の縁の糸にたぐりよせられた第一歌集
日月叢書第50番

梅干しの壺ひつ提げて引き揚げし八歳の夏われの八月
三ツ木さんの第一歌集『風紋』は重い歌集である。敗戦の日より間もなく、京城(ソウル)からの引き揚げ者の中にひとりの少女がいた。ようやく辿りついた日本で少女は見たのだった。あの広島の無惨な姿を。八歳で「ヒロシマ」を見てしまった三ツ木さんの平和への希求は強い
――永田典子

●歌集より5首
・切り口の茎焼きたればいきいきと水吸ひ上ぐるくれなゐの薔薇
・早朝の電車に熟寝する男疲れし日本の象徴として
・忘れ得ぬ敗戦の勅聞きし日の父の沈黙京城(ソウル)の家に
・安保より辺野古へたどる道の辺に樺美智子はとまどひをらむ
・敗戦の京城(ソウル)の家に置き去りの雛人形は春のまぼろし

跋文・永田典子
装幀・髙砂 航
四六判上製カバー装・204ページ
定価:2500円+税
送料:164円

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歌集『追憶』 仲原道子

「濤声」に所属し、今年米寿を迎えた著者が、これまでの人生を肯定し、移りゆく風景を残したいと詠み続けてきた作品を収める第一歌集
濤声叢書第22篇

歌集『追憶』には、戦傷帰還した従兄、六十歳で初めて知った実母、五十回忌を迎える養父母への思い等々、鎮魂の心が深い。併せて娘に先立たれる母の例えようのない悲しさは、察するに余りある。人間、生きてゆくのに誰も避けられない悲しみだが、仲原さんはそうした悲しみを歌を詠むことで乗り越えて来られたのではないだろうか。
――温井松代(「序」より)

●歌集より5首
・父ははの墓参の帰途をゆくりなく生母に明かさるわれを産みしを
・学徒兵の集結ありしと霞ヶ浦軍用機見ぬ空晴れわたる
・ひとり子は淋しと母にはらからを欲りし日もはるか五十回忌迎ふ
・わが命を召せと神仏に祈れどもつひに帰らぬ娘(こ)とはなりたり
・長き髪ばつさりと断ち来る年を心新たに迎へむと決む

序文・温井松代
四六判上製カバー装・232ページ
定価:2500円+税
送料:164円

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『定型の広場―歌は音楽、心の調べ吉野昌夫評論集』
                          久保田 登・編

北原白秋のエッセンスを受け継いだ歌人・吉野昌夫が、
戦後短歌に捧げた言葉の数々。

学徒動員による戦時体験の傷を終生負い続けた歌人・吉野昌夫(大正11年-平成24年)。
戦中戦後の時間を短歌と共に歩み、独自の作品スタイルを生み出した氏の、
70年にわたる言葉との格闘の中で書かれた歌論、
北原白秋・木俣修・宮柊二・土屋文明に関する論文、講演録等を収録した遺稿集。

[目次]
Ⅰ 定型の広場―定型は歌を音楽するステージ。檻ではない。/歌は音楽 心の調べ/私の中の北原白秋/私の中の土屋文明/木俣修晩年の秀歌50首―妻を歌う

Ⅱ 白秋の「近代」/正師・白秋―修と柊二/木俣修と柊二―二様の誠実/反撥が生んだ個性―「反撥」にこだわらざるを得ない弁/宮柊二歌集『日本挽歌』―魂の写実/歌は面影―宮柊二小論/宮さんにいただいた詩

Ⅲ 将た生きむとす―白秋の戦時詠/宮柊二おける戦争と平和/戦争の石文

Ⅳ 学徒出陣と短歌/危うさの上で/納得ずくの生と歌/戦後の生活と短歌/年のはじめの―茂吉と文明/心の記憶

装画・吉野信子
四六判上製カバー装・196ページ
定価:3000円+税
送料:164円

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歌集『多島海(たとうかい)』
             青木瑞枝

「作風」に所属し、「花筏賞」「薔薇祭賞」を受賞した実力歌人の待望の第一歌集。
作風叢書141篇

既に一本の太い樹幹が出来ている。これからもその樹幹を大切にしながら、新しい枝葉や花実の世界への果敢な挑戦を続けられることを期待している。
―金子貞雄・序より

●歌集より5首
・天上へ昇る雲雀の両の足たたまれて薄きうすきその色
・瀬戸内はわが多島海いにしへの古謡のたぐひ海に流して
・浪速言葉似るが如くに鳴く鳥の梅雨晴れの空今朝ははれやか
・子の発ちて行きし夕べよ花の上に雨は銀糸となりて灌げり
・晩成の梨の重さやてのひらに包み来しもの数限りなし

序文・金子貞雄
カバー写真・青地大輔
(ブルーワークス PHOTO & DESIGN Office)
四六判上製カバー装・192ページ
定価:2500円+税
送料:164円

春螢 佐保田芳訓 (453x640).jpg

歌集『春螢(しゅんけい)』 佐保田芳訓

若き日に佐藤佐太郎の薫陶を受けた著者が、佐太郎没後みずからの世界を切りひらき、写生の伝統を受け継ぐ現代写生短歌の指針
歩道叢書

歌集名『春螢』はシュンケイと読んで頂きたい。
恵州の西湖のほとり春ながら湖(うみ)に向ひて飛ぶ螢あり
の私の昭和五十五年、佐太郎先生と共に行った中国恵州での一首から取った春の螢である。
――あとがきより

●歌集より5首
・眼下(まなした)に暮れはてし都市燠(おき)のごと駅のめぐりに灯り寄り合ふ
・蝉が鳴き海猫の鳴く声きこえ神威岬の霧のなかゆく
・アメリカが機軸となりし世界観当然のごと人思ふらし
・ヨーガにて心静かに保たんと思ふいとまに悔しみの湧く
・少年の頃より見馴れ母を継ぎカーテン縫ひて三十年過ぐ

四六判上製カバー装・244ページ
定価:2500円+税
送料:164円

大野誠夫の青春.jpg

評論集『歌人 大野誠夫の青春』 綾部光芳

大野誠夫生誕100年・没後30年
戦後短歌において異彩を放った歌人・大野誠夫。無頼派、風俗派、虚構派などと呼ばれる以前の、出生から戦中・戦後までの一時期を克明に辿り、青春時代を通して誠夫の実像を浮かび上がらせた画期的評論集。

[目次]
1 誠夫の作歌活動と大野家の家系
2 習作時代
3 「短歌至上主義」時代
4 『薔薇祭』前後

著者・綾部光芳氏は1970年、「作風」に入社し、大野誠夫に師事。84年2月、誠夫逝去に伴い、同誌を退会。1991年、新発足した「響短歌会」を主宰し、今年100号を発行。

平成18年「響」誌一月号より、「大野誠夫私論」として始めた連載を、今回とりまとめることにした。一つには、三月に誠夫先生生誕百年を迎えた。もう一つは私が、十月に傘寿を迎える、ということで、双方を記念して上梓を思い立ったのである。師大野誠夫が、この機会に改めて再評価をして頂くことを願う次第である。
(著者「あとがき」より)

四六判並製カバー装・392ページ
定価:3,000円+税
送料:164円

浪浪.jpg

歌集『浪浪(ろうろう)』 松﨑泰樹

「山麓」編集委員・選者、「新アララギ」同人、また山形県歌人クラブ会長等として活躍する著者の平成7年より25年までの作品757首を収載する第二歌集。
山麓叢書第146篇

私は東京向島にて空襲(昭和20年3月10日)に遭ったが幸いにも命をつないだ。思い見てその後の人生は、多くの人のお世話を受けながらも浪浪の身に過ごして今日に至っている。その状況を鑑みて歌集名は『浪浪』とした。
著者―「あとがき」より

●歌集より5首
・己が影をなぞるなどして時ながく厠に居りぬ退職日今日
・仰向けるわが妻の髪洗ひやれば灯の下に瞑(つむ)れる目より涙出でをり
・秋日差す茂吉生家は親しかり庭の平に紫蘇高く伸ぶ
・魚跳ぬる最上川見をれば家居してたまれる鬱の霽れゆく思ひす
・閃光の入りくる防空壕に身を重ねわれをまもりてくれし我が母

四六判上製カバー装・240ページ
定価:2500円+税
送料:164円

少年個室.jpg

歌集『少年 個室』 松﨑泰樹

歌集『浪浪』を刊行した著者の、昭和42年までの20代の頃の作品235首を〈青春詠〉として集録した第一歌集。今回、著者みずから加筆修正を手がけ、再出版。
山麓叢書第145篇

感傷の域を抜け切れない、少年の作品という意味から、歌集名は『少年個室』とした。青春の彷徨のつぶやきとして、母への思いやりの歌として、この歌集に何首か、ひろえる歌があればそれでよい。歌を相手に、悲壮にひとり相撲をとってきた少年期の「あかし」があればそれでよいと思っている。
著者―「後記」より

●歌集より5首
・朗らかなこといふときも貧しくて母は寂しき韻律をもつ
・疎開者よとうとまれしことも今は懐かしき思ひ出になりぬけふ八月十五日
・わがくらきまねきのなかにはひりきて肩ほそくなみだあふらす少女
・言ひたきことすべて言ひ終はりし客のまへ頭下げをり販売員われ
・右頬に吾子の温みが残りゐる気配してひとりの旅つづけ行く

四六判並製カバー装・156ページ
定価:1000円+税
送料:82円

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歌集『あしおと』 菊池信子【品切】

「潮音」に所属し、平成9年(74歳)から26年(90歳)までの自らの「あしおと」を残す著者の第二歌集

さらしきる心全開歌の幸さんざめくなり落ち葉の林
歌集巻末に近いこの一首に、作者としての信子さんの信念とよろこびがはっきりとあらわれている。こころ全開の<歌の幸>こそ歌よみの果報なのだと。
髙崎亘代―「序」より

●歌集より5首
・谷深く虹の大橋あこがれの渡れぬ橋に身を預けたり
・これよりの生を惟へば覚悟とふさだかならざるものの跫
・人のいのちを雑草と薙ぎし戦あり孫も「九条」もひしと護らむ
・穂孕みの草に手触れてゆく径の地のぬくとさよ 独りではない
・詠ふとはわれの贅沢よろこびも悲しみとても一人じめして

序文:髙崎亘代
跋文:曽野誠子
四六判上製カバー装・260ページ
定価:2000円+税
送料:164円

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歌集『潮流』 堀 和美

「歩道」に入会以来、43年間の作歌の足跡を示し、88歳の米寿を記念して刊行した著者の第一歌集
歩道叢書<いりの舎文庫6>

対象の意味を確かに捉え、確かに表現する力をつけ、長い人生のなかで様々に出会った困難も、詠うことによって乗り越え、心豊かな生涯を送られている。
秋葉四郎(「帯文」より抜粋)

●歌集より5首
・日柄よく出帆の祓(はらひ)をうくる船朝日あかるき海へだて見ゆ
・詣で来し青岸渡寺の歌碑の前み命すぎし先生おもふ
・心あつく独航船を見送りし日ありき夢のごとおもひ出づ
・潮流は憩ひに入らん刻なるか夕づく光と影と縞なす
・曇とも晴るるともなく夕づきて沖の島山かすみをまとふ

装幀・序歌・帯文・秋葉四郎
文庫判カバー装・224ページ
定価:1000円+税
送料:82円

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歌集『疏水径』 渡邊 季

平成7年に「好日」入社以来、あせらずたゆまず研鑽を重ね、米寿を迎えた著者の第一歌集
好日叢書第272篇

渡邊さんは情愛のこまやかな方である。今生で長くも短くも関ったさまざまな人間、植物や小動物――それらは作者自身と同じように有限の命をもつもの――への情が篤いのが本歌集の一貫した大きな特徴である。
益永典子(「跋」より)

●歌集より5首
・建てこみて環境(めぐり)住み難くなりたれどこの家(や)に住まばや父建てくれき
・夢さめて一瞬わかたず母在りやなきやと 逝きて久しきものを
・季おくれ有楽椿(ゆうらくつばき)は咲き満ちて弱れるわれの肩に触れくる
・若葉うつす疏水の流れゆたけくてほとり歩めば湖(うみ)の香りす
・何ゆえに猫に生(あ)れしや人ならぬ猫の小さき足指かぞう

序歌・中野照子
跋・益永典子
表紙絵・渡邊 季
四六判上製カバー装・248ページ
定価:2500円+税
送料:164円

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歌ノート『筑紫から』本田信道

歌誌「歌と観照」に所属する著者の、平成23年3月から26年3月までの短歌253首、長歌8首を収めた〈わたしの短歌ノート8〉
歌と観照叢書第280篇

遠く筑紫の地から、地震・津波に襲われた東北、さらに原発事故に苦しむ福島に思いを寄せ続けた三年という歳月を〈うた〉に刻印した叙情詩にして、稀有なる叙事詩!

●歌ノートより5首
・同情も憐憫もなき同心を裡にささげておもふ福島
・大津波 攫はれはてし街の明け人影あれば別きて悲しも
・露ぬるる穂蓼の紅も濃きことも見るさへ辛しみちのく遠し
・分断の看板一枚、被曝禍の「この先帰還困難区域」(富岡街道・浪江町津島)
・願ふがに祈りつつにぞ祈るがに願ひゆくべき 吾は小さく

●長歌
開け放ち あしたのかぜの 清しとて 吸ふことすらも 憚ると 君の祈りふし 歌に読み 見えざる被曝に 歯噛みして 思ひ祈れる この時も なゐの惨禍 手付かずや またもの余震 をののくに 山野の萌えも うつうつと 人智をたのみ 堅忍の 決意をしぼり 詠まずには をれぬ衝動 吐きいだす 無念凝りたる フクシマの歌

A5判並製・40ページ
頒価:500円+税
送料:82円

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歌集『虹の環』 細貝恵子

昭和63年8月に「歩道」入会以来、
平成25年までの作品689首を収載した著者の第一歌集

歌集『虹の環』は若く「歩道」に入会し、作歌25年を迎えている細貝恵子の第一歌集である。
山好き、旅好きの作者が結婚し、家庭に入り、出産、子育てに励み、三人の子らがそれぞれ一人前になった今、ツアーコンダクターとなって、趣味の登山と旅とを境涯の一部に復活させている。そうした半生を点景に謳い上げているのが本集の内容である。
女性として、母としての目が家族はもちろん、社会や自然に鋭く向けられ、感動的でユニークな一巻となった。一読私はきわめて初々しく、素直な気持ちにさせられている。多くの愛読を切に願う次第である。
「歩道」編集人 秋葉四郎(帯文より)

●歌集より5首
・霧移る雁坂峠ブロツケンの虹の環(わ)のなかわが影うごく
・感情の豊かになりくる幼子にときに戸惑ふ母なるわれは
・海に潜くわれにくまのみ近寄りて威嚇をすれど眼おだやか
・何万キロ離れてをれど一瞬にメールの届くうつつに生きる
・フルージルの街空わたりオーロラは緑の帯にて光波打つ

帯文・装幀:秋葉四郎
四六判上製カバー装・280ページ
定価:2500円+税
送料:164円

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歌集『花の記憶』 柳澤美代子

「潮音」に所属する著者の、草木や花の記憶や思いを作品に託した第二歌集

「地雷ではなく花をください」
作者は、やさしく咲いた花を見つつ、それを通して社会を見ている。やさしく咲く花たちや、鳥たちや、人々の魂を探る。
この歌集には、人生の中に花を探しつつ生きる作者の深い思いがこもっている。
作者の見てきた優しい花の記憶、花が見てきた人々のいとなみの記憶がある。
木村雅子(帯文より)

●歌集より5首
・地雷など仕掛けあらねば曼珠沙華たつぷり長く極まりて咲く
・寒に耐へいまだ蕾の海棠に前へ前へと師のお声あり
・ガレキの山に無事と書きたる看板をたてゐる老いに粉雪しきり
・生きゐれば咲かす日もある流木の蕾動きて桜花咲く
・立葵死者に手向けし花なりと阿修羅のごとき今日の夕焼け

帯文:木村雅子
口絵・挿絵:小山淳子
カバー写真:柳澤朋夫
四六判上製カバー・180頁
定価:2500円(税別)
送料:164円

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歌集『筬の音(をさのおと)』 黒羽千尋

「長風」に所属する著者の、前歌集『麦の香』以後13年間の作品395首を収載した第二歌集
長風叢書第291篇

若き母が藁筵打つ筬(をさ)の音のリズムにいつしかなりて歩めり
――稲の取入れが終わり農閑期に入ると、母は終日藁筵を打っていくらかの収入を得ていました。早朝散歩をしていたある日、自らの足の運びが遠い昔の母の筬の音のリズムになっていることに突然気づき、この歌が生まれました。
(「あとがき」より)
※「筬」とは、織機の付属具で、たて糸の位置を整え、よこ糸を打ち込むのに用いる。

●歌集より5首
・這ふ虫も蜂の羽音もなき土手に自生の菜の花丈低く咲く
・大空に向かひて歓喜の声上ぐるごとくに見えて芋の葉揺るる
・若き日の過誤とつぜんに甦り顔しかむるを人は気づかず
・親しげに来たり啄む鶺鴒を視野に入れつつ畑耕す
・善き人にも悪しき人にもなりきれず生きて来たるを目覚めて思ふ

四六判上製カバー・164頁
定価:2500円(税別)
送料:164円

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『紅あかり』 高田明美

第45回福岡市文学賞短歌部門受賞
いくつかの難病と日々闘いながら、回復を願ってひたむきに詠われた作品などを収録した、「朔日」に所属する著者の第一歌集
朔日叢書No.90

――病の歌を詠むことによって、自らの生を蘇らせる薬にもなるのだという覚悟をもしているのではないだろうか。(「序」より)

●歌集より5首
・薬包紙もて折りたるは鶴一羽枕辺にその薄き影ひく
・さかさまに切手はられし封書来ぬさかさまなれど桜満開
・生あらば四季をりをりの花に遭ふ日日をおもひつつ病む身励ます
・鎮痛剤多量に飲みて耐へしのぶ夫のこころ知るべくもなく
・もう少ししつかり歩めとわが脚に叱咤して励ます駅までの道

四六判上製カバー装・166ページ
序文:外塚 喬
写真:宮本永子
定価:2,500円(税別)
送料:164円

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『糠粕集(そうはくしゅう)』 
蛭沼考人(びんぬまこうじん)

平成二十五年度 埼玉県・障害者人材育成資金(シラコバト長寿社会福祉基金)補助対象事業

「青」(精神障害者手帳三級)と「赤」(身体障害者手帳一級)のフィルターを通して見た
現代日本社会。
短歌からTANKAへ。現代短歌の英訳の試み。

●歌集より5首
・四コマのマンガのように短いと 思う人生三コマ目過ぐ
・ひと月の寮生活を終うる娘(こ)の しぐさわずかに大人びて見ゆ
・輸出なら原発よりもBONSAIを 埼玉県民吾は思いぬ
・血潮とは真っ赤にあらで赤黒き 透析装置を吾が血流るる
・俺の目の黒いうちはと父言えど 右目の少し白くなりゆく

お申込みは下記まで。

〒354―0013 埼玉県富士見市水谷東1-13-14 金井方
FAX:049-255-1004

<いりの舎文庫5>
文庫判・208ページ
翻訳:リチャード R・ナバロ
頒価500円(税・送料込み)

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歌集『渚のピアノ』 波汐國芳

―歌集『姥貝の歌』の刊行から、約1年半の月日が経った。―
震災と原発事故という過酷な環境のもと、福島の地に生き、悲しみを乗り越えんと再びの黎明に向かって駆ける著者の第13歌集

この歌集は、現在における私の呼吸そのものである。
―(帯文より)

●歌集より5首
・今一つ歌の生(あ)れよと声掛けて水漬(みづ)きしピアノ叩きてやまず
・阿武隈川セシウム流るるこの川の今一度清(すが)しき空を呼べるか
・文明とう滅びへの道駆け来しに引き返さんかまだ間に合うを
・福島の遠きを東京は安全という五輪招致の言に波立つ
・選ばれて福島の今を駆くるわれ 遠眺むれば輝きていん

四六判上製カバー装・188ページ
写真・酒井英治(「かもめの視線」カメラマン)
定価:2500円+税
送料:164円

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歌集『昔話(むがすこ)』 佐藤通雅

文学思想個人編集誌「路上」の編集発行人で、「河北新報」歌壇選者を務める実力歌人の第10歌集

(むがす)むがす、埒(らづ)もねえごどあつたづも
昔話(むがすこ)となるときよ早(はよ)来よ
「すべてが浄化されて昔話として語られる日はいつのことだろう、1000年先のことだろうか、その日に早くなってほしい」という祈りを、東北の<昔話(むがすこ)>に託して――。(帯文より)

●歌集より5首
・背も足も冷えて眠れずhelp!help!応へくるるは余震のみにて
・何の罪ありやと問へる間もなくて波に呑まれたる万の人らよ
・十日目の朝は来むとし稜線にあらはれいづる梢の綾目
・あの日から――といひたいことのなんと多いあの日のまへがもうないかのやう
・死体と遺体この境界を説かむとしわけもなく萎えるけふのむらぎも

A5判上製カバー装・184ページ
装幀・佐藤 淳
定価:2500円+税
送料:164円

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歌集『梅雨の晴れ間』 本木 巧

平成26年度日本歌人クラブ南関東ブロック優良歌集
歌誌「長風」編集委員を務める
著者の第二歌集。
長風叢書第289篇

2000年から2007年までの8年間の作品511首を収める。日常身辺の微かな動きを見つめ、奥行きのある心象風景として詠う独自の作品世界。

●歌集より5首
・聞きなれぬ鳥の声して目をあぐる白鳥並びて中空をゆく
・昼下がりジャングルジムに子のふたり降りては登りて果つることなく
・暑き日に葉裏を見せては蓮の葉のしきり揺れたり梅雨の晴れ間を
・スコッチの壜置かれたるルームバー誇りに満ちたる暗がりを見つ
・トンネルを幾たびぬけて山に入る胡桃の木だと妻の声する

四六判上製カバー装・218ページ
定価:2500円+税
送料:164円

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歌集『若草の章』 下村すみよ

平成26年度埼玉県歌人会賞受賞
歌誌「短詩形文学」「新日本歌人」「炎」で精力的に作歌活動を続ける著者の第三歌集。
短詩形文学選集48

国語科の教員として中学校・高校に36年間勤めた、その退職前と退職後、そして3.11後の作品425首を収録する。

●歌集より5首
・「先生」と抱きついてくる女生徒によろめきながら今日が始まる
・いくつかの危機を乗り越え月は満つ何時でもこの世においで初まご
・憲法に守られ我は生きて来し戦死の伯父に倍する日々を
・万葉の世はつい昨日プルトニウムの半減期二万四千年先
・シューマンの楽しき農夫を歌いつつ若草色のカーテン開ける

四六判上製カバー装・180ページ
装画・保手浜孝
書・武井汀舟
定価:2000円(税込)
送料:164円

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歌集『海のオルガン』 小市邦子 【品切】

「潮音」幹部同人、編集委員として活躍する著者の第一歌集。

B29の轟音に泣かず母の目をじつと見つめき薄暗き壕に
この、父母から聞いたという二歳の邦子さんに、すでに反骨の資質が見られるのはたのしい。とともに、明るく翳りのない本質も感じられ、その後の人生の辛苦に耐えてゆく力に通じる。
髙崎亘代―「小市邦子歌集『海のオルガン』に寄せて」より

●歌集より5首
・天文班顧問務める君にして我の覚えし星座のいくつ
・雪の匂ひ纏ひて君は帰り来ぬ 若く父となりたる夕べ
・カットの手ふと止まりたり鏡越しの会話は普天間基地に及びて
・許しとは緩しと同源ヤドランカの奏づる弦のほどよき緩み
・薔薇の実を漁るヒマラヤユキヒョウの激しく餓ゑよわが歌心

四六判上製カバー装・252ページ
定価:2800円+税
送料:164円

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歌集『あをき氷河』 久保知子

昭和62年に「濤声」に入会し、
現在同誌編集同人を務める著者の第一歌集。
濤声叢書第21篇

目に見えね流れは絶ゆるなしと言ふ氷河はあをく時を閉じ込む
ヨーロッパ、中東、アジア他、多くの国を旅して著者の視るものは、繁栄の蔭にひっそりと生きる人の姿である。風土とその人間にそそぐ眼ざしが、雄大な風景の中に悠かな時の流れを想う。こうした感受は著者、久保知子さんに運命づけられたものではないか。時間を閉じ込めたような青い氷河は、生き得て今を在る著者の心に深く韻くものがあったと思う。
―温井松代(「序」より)―

●歌集より5首
・一枚のスナップに残る家族みなわれの手になるセーターを着をり
・国交の開かるる日の来たりなばピョンヤン訪はむ誕生の地を
・照りつける陽射しの下に塩の田を鋤く人影の黒きかたまり
・五年(いつとせ)を会ふなく過ぎて子の逝けりわれには重き問ひを残して
・引き揚げのさまを語らぬ母なりき「あの思ひ」に凝縮させて

四六判上製カバー装・232ページ
定価:2,500円+税
送料:164円

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歌集『海濱独居抄』 江島彦四郎

昭和21年、終戦後「高嶺」復刊と同時に入会し、早川幾忠、二宮冬鳥に師事。現在同誌運営委員を務める著者の第六歌集。
高嶺叢書第97篇
いりの舎初の函入り歌集

鎌倉の山の麓から由比ヶ浜海岸近くに居を移した後、妻を亡くして〈海濱独居〉となった6年間の生活を、静謐なことばで詠った滋味深い作品世界。

●歌集より5首
・綿ごみといへど夕べは影をひく冷たくひかる畳のうへに
・思ほえば妻と過ごしし五十年許してくれてゐると思へり
・水やりの少なくてすむ小さき鉢かひてひとりの冬を迎ふる
・痒き背に薬とどかぬはがゆさの悔しさとなる妻を死なせて
・ここに住み一人となりて何年か今朝は湯呑みの茶渋をみがく

A5判上製函入・240ページ
定価:2,800円+税
送料:164円

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奈良達雄自選歌集

新日本歌人協会全国幹事として活躍する著者の自選歌集。

『隊伍』『新たな峰へ』『風捲きて』『裡なる薔薇』『セドナの軌道』『われらの詩型』の既刊六歌集より抄出した作品と「『われらの詩型』以後」の短歌をおさめる。

●歌集より5首
・娘(こ)が書きし指文字残る窓ガラスに二重丸する深夜の浴室
・忙しき妻の心づくしの茶碗蒸しに寒の戻りの手を温める
・ふるさと遠く追われし者の名も残る馬頭観音冬ざれの中
・侵略もテロも許さず人類の英智を刻めわれらの詩型
・世界一の技術だなどとよくも言う汚染水を海に垂れ流すこと

四六判変型並製カバー装・120ページ
定価:1200円+税
送料:82円

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歌集『月のあかり』 福岡 薫

―「創作」創刊百周年記念出版―
「創作」解散の危機をくいとめるべく、「新創作」を設立した後、若山家が継承する「創作」復刊をはたした真の功労者である著者の第三歌集。牧水短歌の源流につながる実直な表現と悠々たる韻律をもって詠われた作品452首をおさめる。
創作社叢書第362篇

●歌集より5首
・牧水の歌の流れを絶やさじと集ふ仲間の声のさやけし
・一人一人の心からなる歌稿届く「新創作」によれる幾人
・牧水が創刊したるその時の「創作」の文字よみがへらさむ
・凍て空にかすかふちどり残しつつ月欠けゆけり星きらめくに
・生れたる子の名あかりと書く婿の墨の匂ひの部屋に満ちたり

装画:小林あかり
装幀:小林恵子
四六判上製カバー装・208ページ
定価:2500円+税
送料:164円

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評論集『宮柊二・人と作品』 
杜澤光一郎

第12回日本歌人クラブ評論賞受賞
宮柊二生誕百年記念出版
コスモス叢書・第1018篇
弱冠18歳で「コスモス」に入会し宮柊二に師事した著者が、師の生誕百年と没後17回忌の年、
みずからの喜寿の報告を兼ねて、師の霊前に捧げる初めての本格的評論集。
第一部では渾身かつ重厚な宮柊二論と、卓越した現代短歌論を展開。
第二部の「宮柊二の100首」では、短歌鑑賞文の新しい様式(スタイル)の創造による、
洞察と発見に充ちた読みの提示があり、深い感銘を誘う。

第1部 作家論・作品論篇
内部抵抗の文学/象徴としての冬竹群/堅牢なる架橋/宮柊二作品における音楽性
/指標としての宮柊二の文学/現代短歌の条件
第2部 秀歌鑑賞篇
宮柊二の100首

装幀:杜澤光一郎
四六判上製カバー装・432ページ
定価:3,500円(税込)
送料:164円
※2冊以上は送料サービス

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歌集『靄こもる街』 内田 弘

「新アララギ」において写実の伝統に拠りながら、新たな手法をとり入れ、突破口を開く第四歌集。
札幌という大都市の点景をとらえ、現代に生きる生活者の孤独を詠った五年間の作品420首を収録。

著者は、前歌集『街の音』により日本歌人クラブ賞、北海道新聞短歌賞を受賞し、現在北海道歌人会代表。また超結社の同人誌「トワ・フルール」で北海道の若手歌人を育成し、エネルギッシュに活躍する注目歌人。

●歌集より5首
・屋上のビアガーデンまではあと何段急ぎ昇れば汗が噴き出す
・混沌の果てに息づく吾なるや酒の四合にいまを醒めつつ
・灯に潤む都市の形のままにして暮れゆく札幌群れゐる鴉
・家並低きむかうに建ちくるマンションの鉄骨あらはに靄こもる街
・決定的なメールを打ちて圏外となれば夕日にくらくらとなる

装幀:片岡忠彦
A5判上製カバー装・180ページ
定価:2500円+税
送料:164円

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歌集『夢の跡』 青木嘉子

切れぎれに顕ちくる夫との来し方は長く短く夢の如しも
「歩道」所属の歌人、青木嘉子の第二歌集。

●歌集より3首
・声の限り呼びしわが声届きしか意識うするるいまはの夫に
・眠りゐる如き平和なる終(つひ)の顔あまりに愛(かな)し起き出でたまへ
・未完成のままにて終る一生と思へど残生如何に生くべき

「歌人佐藤佐太郎は、作歌が生きる力になることもあると極めて遠慮がちに言ったが、現実がそうたやすいことではないにしても、短歌が生の支えになっている例は少なくない。この著者の場合がそうで、御主人と二人の長閑な生活は、夫君の闘病、入院、自らも病みつつ、通院看護という状況になって、たちまち崩れる。そうして愛する夫君との永訣を迎えるのだ。本集は、その慟哭と、涙と、鎮魂の歌集である。同時に、そうした厳しい老境を作歌を友とすることによって、ひたすら生き抜いている人の声があふれている。今一人となっても心中の夫君と共に、短歌がこの作者を支えてゆくに違いない。多くの方の一読を希(こいねが)う所以である。」(秋葉四郎・帯文より)

四六判・上製カバー装・184ページ
定価:2500円+税
送料:164円

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歌集『春の龍』 斉藤 蒔

包丁の入るなり「ぺん」と聲を上げ西瓜はじける うらぼんゑかな
集中に多く見える作者のユーモアのセンスは、なまなかなものではない。ユーモアがアイロニーに変身する時に「強烈な笑い」は生まれる。歌集『春の龍』は嫋やかに見えて嫋やかならざる、実に逞しいしたたかな歌集なのである。
―帯文 永田典子―

『春の龍』5首
・春の龍真中を悠とのぼりゆくふきのたう咲くかむなびの山
・赤い月 百鬼夜行の列のなか母は踊れり吾も踊れり
・一円玉 汚泥のなかより吾を見ぬくかたちのごと其を拾ひ上ぐ
・どの花も色あでやかに咲きそろふ三軒向かう おにばばの家
・四つの羽のすみまで命ゆきわたり蝶は旦(あした)の風かけのぼる

装画:亀井玲那
装幀:前田現像
四六判・上製カバー装・208ページ
定価:2,500円+税
送料:164円

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詩集『零年の肖像』 斎藤久夫

「地震、津波、原発事故。眼にするもの、聞くもの、すべてが渦巻くように言葉となって押し寄せてきた――。」
福島県南相馬市で静かに言葉を紡いできた詩人・斎藤久夫が、震災後の戦慄の中で、生者と死者の命を見つめ、圧倒的な詩篇の数々によって〈光充ちる零年の肖像〉を描いた第4詩集。

【目次より】
Ⅰ…世界に対峙していた/みんな遠く/空は晴れていた/もうすべて/DMAT/夜色楼台図/同心円の中心は二つ/夢/三人の僧侶と

Ⅱ…銀河/ひなん/南東風(イナサ)吹く海/絵本/鉄塔/ピアノの横で/避難所のピアニスト/歌う者はいない

Ⅲ…断崖の廃墟は存在を続け/磯部(40キロ圏)/576は祖母の匂い/岬/通過するバス/零年の肖像(2011年)/夕べの鐘

A5判ソフトカバー装・116ページ      
定価:2,000円+税
送料:82円

おい柴雄.jpg

歌集『おい 柴雄』 すずきいさむ

第21回短歌現代歌人賞、第34回秋田県芸術選奨(文芸部門)を受賞した実力歌人の第6歌集!

この家に一人と一匹おい柴雄(しばお)今日が始まる散歩に出よう
50年連れ添った妻と永別し、二人で生きてきた日々や思いを詠う。そして、人生と自然を観照し、そのうつろいを重ね合わせる第6歌集。
―帯文より―

『おい 柴雄』5首
・夢の中に虹をつかんで食みており嚙み心地よしかの感触は
・さみしさはふいに来たりぬ妻逝きて三月(みつき)とならん雪の真昼に
・葉の落ちし明るき林を歩み行けば父によく似る枯木に会えり
・限りある命を惜しと思うとき柿の朱色の空に際立つ
・亡き汝(なれ)の誕生日くると思いおれば明るき空ゆ淡き雪降る

四六判・上製カバー装・184ページ
定価:2,000円(税込)
送料:164円

親切な郷愁.jpg

歌集『親切な郷愁』 松木 秀

2006年に第一歌集『5メートルほどの果てしなさ』で、
第50回現代歌人協会賞を受賞した松木秀氏の、
待望の第三歌集『親切な郷愁』が刊行となりました。

北海道登別を拠点に、シニカルな視点で世界を風刺した作風に、ユーモアを兼ね備えた独自の作品世界を構築してきた著者の鋭敏な感受性は、「この時期を逃したら言いたいことが言えなくなる時代がやって来るかもしれない」と、最近のこの国をめぐる状況に強烈な危惧をおぼえ、本歌集の出版を決意しました。
収録された作品は、今まで以上に批判精神とヒューマニズムに満ち溢れ、その矛先は、北海道から日本列島全域へ、そして全世界、地球をめぐり、宇宙へと向かっていきます。

●歌集『親切な郷愁』より―
・飛行機と飛行機雲を産み出して二十世紀のはじめごろ美(は)し
・安全と言えば即座に負けになる原発しりとり 危険でも負け
・ニッポンヲトリモドシマス親切な郷愁がほら大手をふるう

四六判ソフトカバー装・144ページ      
定価:1,470円(本体1400円+税)
送料:82円

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歌集『蔵王』 秋葉四郎 

「歩道」編集長、日本歌人クラブ会長を務め、精力的に活躍を続ける秋葉四郎氏の、雄大さと優しさを兼ね備えた詠風で新たな歌境を拓いた第九歌集、待望の文庫版化。

斎藤茂吉記念館の役員となって何時となく私の第二の郷里は、茂吉の生地上山になった。行けば墓参もするし、友人となった運転手を指名して四季折々の蔵王をタクシーで往反する。馴染の居酒屋にも必ず寄る。飲み仲間に付き合わせ、故郷に納税をしたつもりで、機嫌よく新幹線の最終便の客となるのである。(著者)―帯文より―

『蔵王』5首
・選歌しつつ出づる涙の真実を若人(わかひと)汝(なれ)の知る由もなし
・ブリガツハブレーゲ二つ山川の相合ひここよりドナウとぞなる
・募りくる吹雪のなかに辛うじて見ゆる樹氷はしろき幻
・蔵王より東(ひがし)佐太郎西(にし)茂吉それぞれ生地に下るこの道
・首相にて出産したる数奇なる運命はつひにテロにて終る パキスタン元首相ブット氏

<いりの舎文庫3>
文庫判カバー装・168ページ      
定価:953円+税
送料:82円

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歌集『平成大震災』 秋葉四郎編 
「歩道」同人アンソロジー 

東日本大震災より、まもなく2年が経とうとしています。大地震、大津波、原発事故、放射能拡散――。この未曾有の事態を、全国の短歌作者はいかに詠ったか。生々しい体験の声、痛切な詠嘆、そして遠い地から、被災地に思いを寄せる気持。本歌集は、佐藤佐太郎創刊の伝統的結社「歩道」編集長・秋葉四郎氏(日本歌人クラブ会長)が、同誌の中より、震災直後の平成23年5月号くらいから約1年の間に発表された全国580名の作品1808首と、10名の体験記を収録した一大アンソロジー。

本集の特徴は、東北や北関東はもとより、北海道、中部、近畿、中国、四国、九州、そしてアメリカ在住の歌人の作品をも網羅しており、先の震災を、被災地だけでなく、広く日本全体が、連帯の思いを強く持ち続けるための記録歌集となっている。

●歌集『平成大震災』より―
・大津波と火事と地震に怯えつつ寒き一夜の明くるをただ待つ(岩手・中村とき)
・数知れぬ骸の顔に化粧するボランティア居り心打たるる(宮城・近藤やよひ)
・放射能の風評被害は若きらの結婚にまで差し障るなり(福島・佐藤文子)

<いりの舎文庫4>
文庫判カバー装・384ページ
定価:953円+税
送料:164円

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歌集『黄ばめる楽譜』 西村眞佐子【品切】

私は大正11年の八月末に旧朝鮮の釜山で生まれましたので、昨年90歳を迎えました。
歌集名『黄ばめる楽譜』は今は亡き夫の永らく使っておりました、楽譜にちなんで集中の小見出しから抽出して付けました。
―あとがきより
30年間、歌誌「コスモス」で作品発表し続けた著者の、90歳にして初めての歌集!

『黄ばめる楽譜』5首
・黄ばみたる楽譜幾度も繕ひて夫は毎日ピアノを復習(さら)ふ
・継ぐ子なき医院を閉ざし老い夫は医学書幾冊も惜しみつつ括る
・足指の骨より壺に納めゆき最後の喉仏は妻われ納む
・うつ向かせ盆の窪をば剃りくれし亡き母の膝の温み忘れず
・ベルトコンベヤーより降ろされし卵たかだかと機械部品のごとく積まるる

四六判・上製カバー装・176ページ
定価:1,905円+税
送料:164円

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歌集『天空に道』 砂川光子

「文字を読む視力を失いしわれの身」と詠う作者の、その作品世界には、フィクションや想像力が加わり、さらに、言語の自由をもたらしたといえよう。
気概と風格と余韻、これまでの作者の経験が新しい詩を産み出したのである。
―桜井登世子「跋」より

『天空に道』5首
・目をこらし仰げば色のあらずしてただ天のあり天空に道
・いま時間がとまり無風にわれはなるこの陶酔は空気にとけて
・虚と実のいずれなるかと悩みいし過ぎてことなき齢のこれり
・すとんと落ちて何か明るし立ち直るまでのいく日浮きぼりになる
・たましいは闇にこそ無限にひろがりて静寂の声ききつつ眠る

四六判・上製カバー装・196ページ
装幀:巖谷純介
定価:2,381円+税
送料:164円

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歌集『ディオニソスに捧ぐ』 小笠原信之

歌集『ディオニソスに捧ぐ』は小笠原信之のワイン遍歴の軌跡であり、人生を完遂する初志の光芒であるかもしれない。渡仏し異文化のなかに踏み込んで経験することばの壁や、住む人の強い個性と生活習慣の違い、そこに自らの夢をはぐくむ場を模索する姿が、街や人やその民族性を通して語り出される。
―宮原勉・跋「初志の光芒」より

・ソムリエの塔の高きよ若き日に世界を駈けて君奮ひ起つ
・澄みわたる天心の月技を研く君の主張に玲瓏のこゑ
ー菅原義哉・序歌

『ディオニソスに捧ぐ』5首
・フランスに一人生きれば寂しさもあるらん 笑い袋などを買う
・わが妻になれるその人に贈りたき耳飾り見ゆ硝子戸ごしに
・誠意すら通じぬことの口惜しく言葉を持たぬ鳩を見ている
・枯葉ひとつ拾いて胸にしまう時遠しと思うわが故郷は
・美しきもの見れば母に書き送るたとえばセーヌに堕ちゆく夕陽

社団法人日本ソムリエ協会・最高技術顧問の
第一歌集!

四六判・上製カバー装・208ページ
装幀:巖谷純介
題字:小笠原信之
定価:2,381円+税
送料:164円

ふる里の味噌完成版.jpg

評論集
『ふるさとの味噌はよき味噌
   ―斎藤茂吉<食>の歌』 鮫島満

茂吉短歌の魅力、
生命の輝きの源は<食>にあり!

現代短歌の巨星・斎藤茂吉が詠んだ<食>の歌(約400首)を一冊に収録し、懇切な鑑賞をほどこした、画期的な茂吉研究書

[目次より]飯の歌/味噌汁と卵の歌/納豆の歌/草木の実の歌/山菜の歌/ヨーロッパ留学中の歌/海の魚の歌/川の魚の歌/田螺・源五郎虫・蝉・蟹の歌/鰻の歌/蕎麦の歌/茂吉短歌の「ひもじ」/比喩としての食物/「食す」の表現

四六判・並製カバー装・184ページ
装画・イラスト:シガヒロコ
定価:1,700円(税込)
送料:164円

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歌集『九曜』 青木ゆかり

『九曜』は青木ゆかりさんの第四歌集に当る。
本集の中で、私の一番好きな歌を挙げておきたい。
言へるうちに言つて置きますこよなき晩年をあなたはわたしに下さいました
何という、つつましい、毅然たる愛の歌だろう。
ここに青木ゆかりという人の全体像がある。
「言へるうちに言つて置きます」という、何かおずおずとした、思い詰めたことばから、身を擲つような、しかも敬虔な感謝の思いがほとばしる。
―常磐井猷麿「跋」より

関東大震災の翌年に生まれさまざまな天災人災を潜り抜けつつ今日在ることを感謝し、
私の人生に関わってくださったすべての方に、すべての物に深い想いを捧げます。
―あとがきより

『九曜』五首
・芙蓉咲き無花果熟れてひそかにわれに幾十度の父恋ひのとき
・小林檎祭りといふものありき兄に手を引かれ峠を越えてゆきにき
・あなたとわたしの専用携帯電話なりああ鳴つてゐるまた呼んでゐる
・白髪に十指通して抱き寄せしくしく告げむこのひたごころ
・祝ひくるる誕生日は亡きひとを偲ぶ会その長(をさ)の子もわれも老いつつ

四六判・上製カバー装・292ページ
定価:2,381円+税
送料:400円

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歌集『姥貝の歌』 波汐國芳

永年、福島で原発をテーマに作歌してきた著者にとって、
大津波と原発事故は詩的現実そのものだった―。

幼い頃から親しんできた<姥貝>の口を借りて、3.11以後の生をうたい、
古里の海を呼び戻したいと念願する、迫真の第12歌集。

『姥貝の歌』五首
・プルサーマル阻止の集いに遠尾根の溶岩流をみちびきゆくも
・姥貝の口をひらいて海に問え白亜紀ざぶりと戻って来るか
・原発に追われ追われてゆく牛のふと振り向きしその目忘れず
・放射能を好む菜ありてこの村に菜のはなの笑みだけが残った
・原発の廃炉を覆う石棺の闇しんしんと醒めゆくわれか

A5判・上製カバー装・184ページ
定価:2,381円+税
送料:164円

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歌集『西日が穏やかですね』 佐藤理江【品切】

―すでに日本から失われているはずの「物語」は、極私的な事情とともに私の前に現れた。―


日常に偏在する社会事象のひとつひとつを見つめ、クリティカルに、そして温かい視線でうたう。
父の死がよびさます、生の「私」に戸惑いつつ、それを越えたいと願う
未来賞受賞作家の第4歌集。


『西日が穏やかですね』五首
・スローガンなら知つてゐる、恒久の……感動的な、なんだつけ、あれ。
・ぶら下がる千羽の鶴が連れてくる平和を吾子はまだ信じゐよ
・引き揚げと難民といふ微差もちて父ものがたるそのときのこと
・遠くから走り来るひと近づきてやがてわたしの顔だとわかる
・ぬひぐるみ壁にもたれてすわりをり今日は西日が穏やかですね

四六判・上製カバー装・120ページ
定価:1,619円+税
送料:164円

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歌集『風の岬』 山下真知子

母や子の死、また、親しい友人の死など、
大切な人との別れをうたい続けてきた
山下さんの十年の記録。

この夏を月に近づく火星見ると望遠レンズをみがきをりしが
戦略のメモなどはさむ「月刊バスケ」もはや捨てむか七回忌過ぐ

亡き子をうたったこの二首は、集中、
私が最も好きな歌である。  

帯文・大島史洋氏

「楡」「未来」「短歌海流」「草笛」等で
活躍する山下真知子の第3歌集。

『風の岬』五首
・ロバのパン楽にぎやかに近づきぬ「買つておくれ」と言ふ子も無きに
・お日さまが好きで畑が大好きでそんな言葉に語る母の死
・もう少しふつくらとした手であつた夜の明かりにかざし見るとき
・苔に散る桐の落花を集めゐし夢に幼く一人の遊び
・春昇る朝日はどんとでつかいね岬の松と並んで見てゐる

四六判・上製カバー装・212ページ
装幀:巖谷純介
定価:2,200円+税
送料:164円

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詩集
『語らう。
初めて出会うなつかしいあなたと』 
岩崎明仁

東日本大震災直後より突如として溢れ出た
詩編の数々をここに収める。

宇宙と地球すべてを視野に入れ、
みずみずしいリリシズムを生み出す新鋭詩人の
期待の第一詩集。

<いりの舎文庫2>
文庫判・カバー装・256ページ
定価762円+税/送料82円

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歌集『青雨記(せいうき)』 
高木佳子 【品切】
第13回現代短歌新人賞受賞

第一歌集『片翅の蝶』で第14回日本歌人クラブ新人賞、2012年潮音賞を受賞、
また個人歌誌「壜」を発行し、精力的に短歌と向き合い活躍する
福島県いわき市在住の歌人、
高木佳子(潮音)の待望の第二歌集!

●歌集『青雨記』より―
・みづどりにそれは似てゐむ地のうへに落ちて飛び立つごとき雨滴は

小名浜港に誰かが看板を立てた
・<心まで汚染されてたまるか>さうだとも、わたくしたちは真つ白な帆

・魚(うろくづ)よまばたかざりしその眼もて吾らが立ちて歩むまでを 見よ

四六判・上製カバー装・204ページ
定価2,000円+税/送料164円

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歌集『青白き光』 佐藤祐禎 四刷出来!

東京電力福島第一原子力発電所が立地する福島県双葉郡大熊町で、農業に従事しながら“反原発”の短歌を詠みつづけてきた
歌人・佐藤祐禎が平成16年に刊行した幻の第一歌集『青白き光』を文庫版として再版いたしました。
福島第一原発事故から25年以上も前から、原発や放射能の危険性、東電の欺瞞、
原発立地地域住民の苦悩などを短歌で訴えた本書は、
まさに「予言の書」として、今こそ多くの方々に読んでいただきたい歌集です。

●歌集『青白き光』より―
・いつ爆ぜむ青白き光を深く秘め原子炉六基の白亜列なる
・小火災など告げられず原発の事故にも怠惰になりゆく町か
・原発に勤むる一人また逝きぬ病名今度も不明なるまま

※また、本書には原発関連の歌だけでなく、家族や自然を詠んだ秀歌も多く収録しています。
こうした家族との日常や身辺の自然を根こそぎ奪われてしまったことを思うと、
「原発の歌だけは私の心の叫び」(あとがき)という著者の言葉がいっそう痛切に響いてきます。

<いりの舎文庫1>
文庫判カバー装・120ページ      
定価:667円+税
※送料2冊までメール便で82円
3~4冊はメール便で164円
5冊以上は送料無料です。

2013年3月12日に佐藤祐禎さんがお亡くなりになられました。
心よりご冥福をお祈りいたします。

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歌集『豊かに生きよ』 東野登美子

大阪の府立高校の非常勤講師であり、発達障害を抱える愛娘を持つ歌人、
東野登美子(ひがしの・とみこ)第一歌集
本歌集は2部に分かれています。
第1部は母として「豊かに生きよ」と願う、愛娘への大きな愛情と葛藤、
第2部は教師としてまっすぐな眼差しで、学校や生徒と向き合う日常が描かれています。

●歌集『豊かに生きよ』より―
・がんばれと手を振りたれば進路変へ子はわが胸をゴールに選ぶ
・言へるのは「アイ」だけなのかと嗤ふ人にも千穂の愛は溢れ出てゐる
・ただ一度「まあま」と呼びしその声の円やかなりしをまだ覚えゐる

帯文:田中教子
装画:東野登美子&千穂

四六判・ソフトカバー装・136ページ
定価:953円+税
送料:82円